巨流アマゾンを遡れ (集英社文庫)

巨流アマゾンを遡れ (集英社文庫)

 アマゾンでもジャングルで作者の物事に対する興味は尽きない。アマゾンを船によって河口から源流までさかのぼるのだが、いろんな人と巡り会っていく。まさにそれが旅の醍醐味だろう。
 ピアニアの歯って本当は下唇に隠れてみえないのをこの作品で知った。しかも、人を襲ったことなど例がないことも。やはり水曜スペシャルの影響が大きいのかも知れない。

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)

 三畳一間、家賃1万2千円の暮らしを11年も続けてきた作者の書き下ろし作品。野々村荘に住むいろんな人々と繰り広げる切ない青春の日々。でも、この作品の一番面白いのは作者にとって安住の地であった早稲田をでるきっかけとなったある女性との出会いだと思う。遅すぎた「初恋」という最終章は、30歳を超えての恋愛ってたしかにこうだよなあと実感できるラブストーリーになっている。
 それまでの青春物語からまさに大人へのステップを歩むきっかけの恋愛エピソードは読後の心をじんわりと暖かくしてくれるものだ。