笹山久三『四万十川-あつよしの夏』河出書房新社 ISBN4-309-00491-1

 この本は母親の本棚からもってきたものですが、大当たりでした。刊行は昭和63年です。四国の四万十川に生きる家族を子供の視点から描いています。主人公の篤義と猫のキィその子猫のクロ、そして千代子の関係性はとてもしっかり描かれていると思います。”大蛇”退治を果たした篤義の成長した姿は少年の成長譚であると同時に四万十川流域の風のようなさわやかな読後感をもたらしました。