夜のピクニック

夜のピクニック

 本の雑誌が選んだ2004年度ベスト10で1位、吉川英治文学新人賞受賞は伊達ではなかった。始めに言うと、この作品は紛れもなく名作。

 舞台は高校生が参加する高校のイベント、「歩行祭」。夜通し歩いて80kmを走破するというこのイベントを通して、西脇融と甲田貴子の視点を中心に仲間と歩くうんざりするほど長い夜。歩くという単純作業、しかも長時間となると「人生」ってものと比較したくなってくる。青春時代という人生を意識しない時期に、大切な時間を過ごしているのだという暗喩が込められているのじゃないかなと思って読み進んだ。

 読み終えると、なんだか自分の高校生時代を思い出して、妙に感慨深くなった。勿論、こんなに女の子が周りにいたわけでないけど。(いや、むしろほとんど居なかったが)けど、無性にその思い出に残る辛さというものに共感してやまない。その瞬間しんどいことだけが後々まで記憶に残る。たいしたことないことがその後の人生にとって大事になるってことは、意外とその時点ではわからないものだ。
 そんなことを考えさせてくる今作は名作だと言えるだろう。

辛口のカクテルを (広済堂文庫)

辛口のカクテルを (広済堂文庫)

 いつ読んでも格好よく洒落ている大人の話が詰まっている短編集。でてくるキーワードがほとんど理解できないけど、後々別の機会に目にすることが多く、にやりとさせられる。
音楽にしても、絵画にしても、バーのことについても。

犬連れ北海道3000キロの旅 (エイ文庫)

犬連れ北海道3000キロの旅 (エイ文庫)

 著者の写真は旅にでているぼさぼさの顔の方がいい男だね。ソアラちゃんは毛並みが良くて可愛い。北海道で犬が怖がられるのは本文にもふれていたようにエキノコックスの問題があるからしょうがないだろう。でも、それに悲観せずに楽しんだ彼らは偉い。

 主に資料用に購入。バイクを好きだと行っても自分が体験していない時代はよく知らないので、こういう本が役に立つ。

大人の自転車ライフ (知恵の森文庫)

大人の自転車ライフ (知恵の森文庫)

 時代は自転車ですね。職場への通勤は自転車でやろうと改めて思いました。

 国井律子ファンなら買うべし。ファンじゃないならちょっと厳しいかも…。あ、俺はファンなんで問題なしです。(笑