病院の待ち時間で読んだ本

ハーモニカとカヌー (新潮文庫)

ハーモニカとカヌー (新潮文庫)

 野田さんが数十年前の日本の川を語る文を読むたびに、懐かしさとともに取り返しがつかない愚挙を繰り返した社会への怒りと川に対しての深い愛情を感じます。読んでいてやけに胸が痛くなるのはGAKU自身の子供時代を思い出すからでしょうか。田舎の小川で魚を追いかけていたあの日。カブトムシやクワガタを追い求めて山を駆け回っていたあの日。友達とアホな話をしたり、憧れのあの子に告白できなくてうつむいて帰った帰り道。どれも僕の大切な思い出です。でもその背景にはいつも自然がありました。都会には都会の風情があるのでしょうが、僕は田舎で生まれて良かったと胸を張っていえます。だからこれからも田舎が田舎であるようにしていきたいです。たとえそれがわずかな力だとしても。