北海道紀行-五日目-

 とほの宿「カジカの宿」で目が覚めると、眼前には一面のパノラマが展開しておりました。強い朝日に照らされて海面が煌めき、まるで一枚の絵画のように静かに存在しています。こういう所で人が育つのと、都会で育つのと、さて人して自然なのはどちらかなとしばし黙考。

 朝食は、宿の主人が用意してくれる家庭の味。主人の小さな娘さんと同席で頂きました。最初は僕らを見て照れていた彼女ですが、最後は父さんに甘えておりました。大変な環境ですが「きっと君は幸せだと思うよ」、心の中で呟いたGAKUでした。

 さて、昨日断念した納沙布岬へ向かいます。県道142号線で、根室市内を通って岬へいくのですが、岬までいく道路県道35号線が素敵です。右手に海岸線が見えているのですが、岬に近づくにつれて左側からも海が迫ってきます。嫌がおうでも気分は盛り上がります。しかし・・・昨日の霧多布岬と違って、どうやら半島の端っこに灯台があります。っていう慎ましさ。本土最東端のお店、鈴木商店を横目でみながらとりあえず写真は押さえます。期待しすぎていて少しがっかり。

 根室市内へ反時計回りで戻って、この旅の1つの目的であるセイコーマートへ入りました。旅の記念にポイントカードを作りました。北海道ってコンビニで物を買ってポイントが入るんですね。最近のセイコーマートカードは利用がしやすいようにタグ状の小さなカードが付属しております*1

 R44号からR243を通って北上して、野付半島を目指します。ここは巨大な砂嘴で半島状に長く入り江を形作っている観光名所です。その半島の先にはトドワラと呼ばれるものが見られます。これは何かというと、150〜120年前に立ち枯れたトド松が年々浸食されていく様が現在進行形で見ることができるのです。その有様は幻想的の一言。トドワラPAに車を止めて徒歩片道30分の道のりですが、いく価値は大です。一人でいくと強烈な風に行く手を遮られながらも、細い道を歩いていく時間でいろんなことを考えさせてくれます。そしてトドワラにつくと廃墟のように、滅び行く美が見られます。まるで静止した時を切り取ったようです。時間を忘れて見入りました。

 ここで時間を取りすぎたため以後の時間はかなりケツカッチン(笑)になってしまいました。昼ご飯は標津サーモンパークにて、鮭定食を食べました。サーモンパーク博物館も見たかったのですが、時間がないので断念。R335を北上していくとちょうど羅臼が見えてきたぐらいで天気が曇り>雨の繰り返しに。羅臼峠はびしゃびしゃと雨に降られました。今回、羅臼を目指した大きな理由は目的としたのは岩田商店*2という所で、鮭といくら、筋子のお土産を買うことです。少し迷いましたが、1つめの橋のたもとに大きな工場がありました。今日はとても忙しい現場だったようでみんな無言でシャケバイをしております。ひときわ存在感がある社長(らしき人)に声を掛けて事情を説明しました。彼女の名前を出すと、すぐ思い出してくれたようで快く分けてくれました。実家に送る手続きをなおこさんがしてくれましたが、あとでお金を振り込んだらいいと言われて、びっくり。普通は着払いか、事前振り込みですよ。
人がいい所だなあと都会ずれした自分に少し嫌気が(笑

 道の駅知床・らうすで休憩して、知床峠にチャレンジ。今朝まで通行禁止だったのですが、昼間にやっと凍結がとけたので幸運でした。そして国後島が見える知床峠の絶景!夏だともっといいですね。外にいると手がかじかんできました。
 その後はウトロに抜けてオシンコシンの滝を見ました。なかなか豪快。しかし、ここで圧倒的に時間が足りない状況になりました。あとは根性です。斜里町に抜けて、そこからR334を通って西に西へいきます。美幌からR240〜県道51号線を通って陸別へ。オーロラタウン93りくべつでトイレ休憩。もうしまっておりました。ここからはR242へ。数日前に通って足寄まで戻ってきました。ここでロープを選択。道東自動車道で足寄から音更帯広までいきました。帯広に戻ったものの日勝峠が凍結して通行禁止のためルートがみつかりません。明日の行程を考えるとどうしても道東からは抜けておきたい。まずは腹ごしらへ。帯広のまなべという洋風レストランへ。Oさんに勧めていただいた、さがり肉のステーキを頂く。その柔らかさと味付けに感動。これも絶品でした。さすが・・・。

 ネットを検索しまくって選んだルートはR38を利用しての狩勝峠越え。ここだと凍結はしていない様子。ドライバーはGAKU。AWDエアトレックとはいえ、夏タイア。かなり緊張します。峠に近づくと雨足がまして厳しさが増しました。貼り付けた雰囲気の中、峠の頂上まではなんとかきました。トンネルを抜けると・・・そこは路肩だけどもしっかり積雪が!!ここで緊張はピーク!、なぜかいきなり鳴る携帯電話。もちろんでれません(涙 焦ります。これ以上はないという安全運転でじっと時間がすぎさるのを待ちます。やっと下ったときには神経がすり減りました。携帯電話の着信履歴をリダイヤルすると・・・間違い電話(爆 勘弁して欲しいです、まったく。富良野市芦別市赤平市を越えて道央自動車道の滝川ICから乗りました。そしてなんとか岩見沢ICで降りて、いわみざわ健康ランドへチェックイン。午前1時30分を越えてやっと寝ることができたのでありました。今日はこの旅、最大の山場だったのは間違いなしです。無事で何よりでした。

*1:さらにクレジットカード付きのものも出ているようです

*2:ここで彼女が昔シャケバイをしておりました(笑)